内部コマンド 【internal command】 ビルトインコマンド / builtin command / shell builtin
汎用コンピュータのOSには、文字による入力や表示により利用者が対話的に操作できる「コマンドラインインタプリタ」(command line interpreter)と呼ばれる機能が提供されることが多い。LinuxなどのUNIX系OSでは各種のシェル(bashなど)、Windowsではコマンドプロンプト(cmd.exe)やWindows PowerShellが該当する。
コマンドラインインタプリタは利用者がキーボードなどから入力したコマンド(命令)を解釈して指示された処理を実行するが、bashやcmd.exeのようなインタプリタの実行ファイル自身が処理することができるものを内部コマンドという。コマンド名と同じファイル名を持つ実行ファイルを起動する「外部コマンド」(external command)と対比される。
ファイルの一覧表示(Windowsではdir、UNIX系シェルではls)、ファイルやディレクトリの複製(同copy、cp)のように、基本的なOSの操作に必要となるコマンドの多くは内部コマンドとして提供されることが多い。カレントディレクトリを変更するcdコマンドのように、原理的に内部コマンドとしてしか実装できないコマンドもある。
一方、外部コマンドは利用者が追加で組み込んだ拡張機能やアプリケーションソフトなどに付属するものなど、すべてのシステムで必要になるとは限らないものが中心となる。内部コマンドと同じ名前の外部コマンドが後から組み込まれる場合もあり、Linuxなどではenableコマンドでどちらを優先的に使用するか切り替えることができる。
(2022.1.25更新)