DNF 【Dandified Yum】
概要
DNF(Dandified Yum)とは、Linuxシステムにおけるソフトウェアパッケージの管理を行うプログラムの一つで、「Yum」の実質的な後継版。パッケージ管理システムにRPM(Red Hat Package Manager)を採用しているLinuxディストリビューションで使用できる。インターネット上のソフトウェアの集積所(リポジトリ)からパッケージを取得して導入(インストール)したり、最新の更新を適用(アップデート)したり、不要になったものを削除(アンインストール)したりすることができる。
正確にはRPMによるパッケージ管理を容易にするコマンドなどを提供するもので、自らパッケージのデータ形式などを規定しているわけではないため、パッケージ管理システムを管理する「メタ管理システム」と呼ばれることもある。
シェル上で “dnf” というコマンドを起動して操作や管理を行う。素のRPMとの最も大きな違いはパッケージの依存関係を自動的に解決する機能で、あるパッケージの導入時や更新時に他のパッケージが必要であることが分かると、これを取り寄せて自動的に導入してくれる。
RPM系のパッケージ管理システムとしては「Yum」(Yellowdog Updater Modified)が人気だったが、APIなどのドキュメントの欠如、依存関係を解決するアルゴリズムの欠陥、古いPython 2で書かれており最新版のPython環境に適さないなど根本的な問題があった。そこで、Yumから開発プロジェクトを枝分かれ(フォーク)させ、全面的に書き直された事実上の後継としてDNFが開発された。
いわゆるRPM系ディストリビューションで使用することができ、2015年にFedoraが標準のパッケージ管理システムをYumからDNFに変更した。Red Hat Enterprise Linux(RHEL)やAlmaLinux、Rocky Linuxなどでも標準採用されており、従来通りyumコマンドから呼び出すことができる。
(2024.7.27更新)