DLLファイル 【Dynamic Link Library】

概要

DLLファイル(Dynamic Link Library)とは、Windowsのプログラムファイルの種類の一つで、様々なプログラムから利用される汎用性の高い機能を収録した、部品化されたプログラムのこと。標準のファイル拡張子は「.dll」。

DLLファイルはそれ自体は単体で実行することはできず、実行可能ファイルEXEファイルなど)が起動する際に自動的に連結されてメモリ上に展開される。多くのプログラムが共通して必要とする機能が収められており、様々なプログラムの一部として取り込まれて実行される。

DLLファイルには、Windows開発元の米マイクロソフト(Microsoft)社がWindows自体や同社製ソフトウェアの一部として提供しているものと、同社以外の開発者が作成して販売あるいは配布しているものがある。Windows対応ソフトウェアの開発者にとっては、DLLファイルとして提供されている機能は自ら開発せずに済むため開発効率が高まる。

おおむね拡張子が「.dll」のファイルがDLL形式のファイルとなるが、ActiveXコントロールの「.ocx」のように別の拡張子を用いるファイルもある。アプリケーションソフトに機能を追加するプラグインなどの中にも、DLL形式ながら他の拡張子で提供されるものがある。

多くのDLLファイルはWindows標準のWin32 APIという規約に基づいて機能を呼び出すよう設計されているが、COM(Component Object Model)に基づいて設計されたCOMコンポーネントや、.NET環境で開発されたマネージコードアセンブリなど、内部の形式にはいくつかの種類がある。

ダイナミックリンクライブラリ (動的リンクライブラリ)

一般名としてのダイナミックリンクライブラリは、(Windows以外にも様々なOSで)実行時実行ファイルに連結されるライブラリファイルのことを指す。多くのUNIX系OSでは.soファイルが、macOSでは.dylibファイルが該当する。

開発時に実行ファイル内部に取り込んで提供される「スタティックリンクライブラリ」(静的リンクライブラリ)の対義語で、ライブラリファイルが単体で配布・提供される。OS標準の機能など、多くのプログラムが共通して利用する汎用的な機能の提供に用いられることが多い。

(2024.2.29更新)

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