シェルスクリプト 【shell script】
概要
シェルスクリプト(shell script)とは、OS(オペレーティングシステム)を操作するためのシェル上で実行できる簡易なプログラミング言語(スクリプト言語)。また、そのような言語によって書かれた、複数のOSコマンドや制御文などを組み合わせた簡易なプログラム。一般的にはLinuxなどUNIX系OSのシェルで実行できるものを指す。UNIX系OSで一般的なコマンドラインインタフェース(CLI)のシェルでは通常、利用者によるコマンド入力、OSによる実行、結果表示が対話的に展開されるが、引数やスイッチ指定の長いコマンド実行を頻繁に利用する場合に毎回手入力しなければならず、連続で複数のコマンドを実行したい場合には前のコマンド実行が終わるのを待って次のコマンドを入力しなければならない。
このような場合に、実行すべきコマンドの流れをテキストファイルに記述して保存しておき、まとめてシェルに実行させるシェルスクリプトの仕組みが利用される。一行がシェルにおける一行のコマンド入力に対応し、複数のコマンド実行の流れをまとめて指定することができる。
シェルによって文法は異なるが、繰り返し(for/while/until)や条件分岐(if/case)などの制御文、変数や配列、関数などの仕組みも一通り備えている。ただし、これらの機能の使い方や制約などが一般的なプログラミング言語とは異なる部分が多い。
データ型や高度な算術演算もないなど、本格的なプログラミングを行うには適さない。それよりも様々な標準コマンドの持つ機能や、パイプなどシェルの持つ仕組みを活用した方が簡潔で効率的なスクリプトが記述できるとされる。
通常のシェルスクリプトはシェル自身がスクリプトを解釈・実行するが、他の言語を用いてスクリプトを記述し、その言語の処理系に実行させることもできる。スクリプトファイルの先頭行に「シバン」(shebang)と呼ばれる記述を行うことで実現でき、シェルスクリプトならば「#!/bin/sh」のように指定するが、「#!/usr/bin/env python」のように指定すればPythonでスクリプトを作成・実行することができる。
(2021.12.16更新)