445番ポート 【port 445】 ポート445 / TCP445番 / UDP445番 / Microsoft-DS
概要
445番ポート(port 445)とは、インターネットなどの通信でアプリケーションの種類や通信規約(プロトコル)の識別に用いられるポート番号の一つ。通常はWindowsのファイル共有サービスが利用する。ポート番号とは
インターネットではネットワーク層のプロトコルとしてIP(Internet Protocol)を用いるが、その上位のトランスポート層のプロトコルとしてTCP(Transmission Control Protocol)あるいはUDP(User Datagram Protocol)をよく用いる。
これらは同じ機器(一つのIPアドレス)で複数の異なるアプリケーションが同時に通信したり、異なる通信相手と同時に通信できるよう、データの送受信の窓口となる「ポート」という仕組みを備えている。ポートの識別や指定は0から65535までの整数で行い、これを「ポート番号」という。
445番ポートの用途
445番ポートはそのようなポート番号の一つで、Windows標準の通信規約(プロトコル)であるSMB(Server Message Block)によってファイル共有やプリンタ共有を行うために利用する。Windowsネットワークでユーザー認証やアクセス制御を行うActive Directoryでも必要となる。
この用途はインターネット運用団体のIANAによって「Microsoft-DS」(Microsoft Directory Services)の名称で登録されており、いわゆる「ウェルノウンポート」(現在は正式には「システムポート」)の一つとして定着している。TCPとUDPの両方が割り当てられており、状況に応じて使い分けられる。
SMBの初期の仕様は同社のネットワーク仕様である「NetBIOS」を利用していたため、NetBIOSでデータを送受信する137番ポート、138番ポート、139番ポートが必要だった。Windows 2000/XP以降はNetBIOSを介さずにIP上で直にSMBを動作させる「ダイレクトホストSMB」(Direct host SMB over TCP/IP)という仕様が追加され、445番ポートはその通信のために必要となる。
Windowsのネットワーク機能はよくサイバー攻撃の標的となるため、何らかの事情でどうしても必要でない限り、445番および137~139番ポートはインターネット側から内部ネットワークへ向かって接続できないようルータやファイアウォールなどに設定しておく必要がある。