chrony
概要
chronyとは、NTP(Network Time Protocol)のサーバおよびクライアントの一つ。GPLに基づいてオープンソースソフトウェアとして公開されており、主にLinuxなどのUNIX系OSで利用される。NTPはインターネットなどのIPネットワークを通じてコンピュータ間で時刻同期を行うための通信手順(プロトコル)で、原子時計などに接続された公開時刻配信サーバから正確な現在時刻を取得してコンピュータの時計を合わせることができる。
NTPサーバ/クライアントとしては古くから「ntpd」というリファレンス実装が知られており、これを元に派生開発されたソフトウェアもあるが、chronyはこれらとは別にまったく新たに開発された。Red Hat Enterprise Linuxなどntpd系に代わって標準のNTP実装として採用するLinuxディストリビューションも現れている。
chronyはデーモンの「chronyd」とコマンドの「chronyc」で構成され、NTPサーバとクライアントの機能の両方を備える。様々な使用環境に柔軟に適合するよう設計され、仮想マシン(VM)での利用や通信が頻繁に途絶する環境などでも安定的に動作する。インターネットから孤立したネットワーク内で手動で時刻同期を行う方法も用意されている。従来は困難だった、現在時刻から大きくずれた時計の調整にも対応する。
(2021.11.11更新)