パース【parse】

概要

パースとは、文法に従って分析する、品詞を記述する、構文解析する、などの意味を持つ英単語。IT分野では文字データを解析して一定の形式のデータ構造に変換する処理などを指すことが多い。
パースのイメージ画像

コンピュータプログラムの機能・処理の一つで、一定の書式や文法に従って記述されたデータを解析し、プログラムで扱えるようなデータ構造の集合体に変換することをパースという。そのためのソフトウェアやプログラム部品などのことを「パーサ」(parser)あるいは「パーザ」という。

例えば、コンパイラなどがプログラムソースコード機械語の表現に変換するために語彙や構文の構造を解析することや、WebブラウザHTMLファイルを表示するためにタグの構造や属性などを解析して表示可能なデータ構造に変換することなどを指す。

なお、分野や処理系によっては、実行中のプログラムが扱うデータ構造オブジェクトなどを一定のデータ形式で書き出す処理を「シリアライズ」(serialize)、読み込んでオブジェクトなどを構築する処理を「デシリアライズ」(deserialize)という。この場合のデシリアライズはパースとほぼ同義となる。

パースペクティブの略

絵画やイラスト、設計図面などの分野で、遠近感や奥行きを反映して対象を立体的に描画する遠近法や透視図法など(および、これらの手法で描かれた立体的な絵や図)のことを「パース」というが、これは「パースペクティブ」(perspective)を省略したものである。英語では “pers” とは省略しないため、一種の和製英語となっている。

(2025.8.28更新)

他の用語辞典による「パース」の解説 (外部サイト)

この記事の著者 : (株)インセプト IT用語辞典 e-Words 編集部
1997年8月より「IT用語辞典 e-Words」を執筆・編集しています。累計公開記事数は1万ページ以上、累計サイト訪問者数は1億人以上です。学術論文や官公庁の資料などへも多数の記事が引用・参照されています。