XFS 【Extents File System】
概要
XFS(Extents File System)とは、UNIX系OSで用いられるファイルシステムの一つで、大容量のストレージを取り扱うことができ、管理領域の一貫性を維持するジャーナリング機能を持ったもの。ファイルの管理情報(メタデータ)を書き換える際、一旦ジャーナル(journal)と呼ばれる領域に時系列で変更内容を保存してから書き換えを行う。これにより、不意の電源断などで中途半端な状態で処理が中断されても、ジャーナルの内容を参照することで即座に復旧(更新の破棄あるいは確定)することができる。
64ビットのアドレス空間を持ち、仕様上は最高で8EiB(エクスビバイト)までの単一の領域を管理することができる(実装上はシステムごとにもっと低い制限がある)。ファイルは「エクステント」(extent)と呼ばれる可変長の連続したブロックをまとめた単位で記録され、短い管理情報で高速にファイルを探索することができる。
ファイルシステム内を複数の「アロケーショングループ」(allocation group)と呼ばれる独立した管理情報を持つ単位に分割することができ、それぞれのグループに並列にアクセスすることができる。
XFSは1993年に当時の米シリコン・グラフィックス(Silicon Graphics/SGI)社が開発して自社のOS製品である「IRIX」に搭載したもので、2000年にオープンソースとして公開されてからは他のOSにも移植された。
特にLinuxでは標準で多くのディストリビューションが対応しており、信頼性が求められるサーバ用途などで使われる。IRIXとの互換性の関係でパーティションの先頭のセクタに管理用のデータを記録するため、先頭セクタにブートローダなどを必要とするパソコンなどでは起動用の領域に使うことができないという制約がある。
(2018.9.20更新)