NIS 【Network Information Service】
概要
NIS(Network Information Service)とは、主にUNIX系OSで利用されるシステム管理ソフトウェアの一つで、同じネットワークに接続された複数のコンピュータ間でシステムの設定情報を共有することができるシステム。ディレクトリサービスおよびプロトコルの草分けの一つで、利用者アカウントやグループについての情報や、ネットワークに接続しているコンピュータのホスト名など、ネットワーク関連の設定情報を複数のコンピュータで共有することができる。
1980年代に米サン・マイクロシステムズ(Sun Microsystems)社(当時)が自社のUNIXである「Solaris」向けに「Yellow Pages」(イエローページ:電話帳の意)の名称で開発されたが、商標上の問題からNISに改名された。その名残りは操作・管理のためのコマンド名が「yp」で始まる点に残っている。
NISは他社のUNIX OSにも提供され、異機種混在の環境でも運用が可能となった。認証や階層型ドメインによる管理などの機能を追加した後継版に「NIS+」がある。2000年代以降はホスト名などの管理にはDNS(Domain Name System)などを、ユーザー情報などの管理にはLDAP(Lightweight Directory Access Protocol)などを用いるのが主流となり、NISはほとんど使われなくなっている。
(2023.11.9更新)