Lustre
複数のサーバを並列に稼働させ、ファイルを分散して記録する。数十ペタバイト(PB)を超えるような大規模なデータ管理用途でも利用でき、スーパーコンピュータなどのHPC(High Performance Computing)分野で広く利用されている。
ファイルやディレクトリについての情報(メタデータ)を分散管理するメタデータサーバ(MDS)、メタデータを格納するメタデータターゲット(MDT)がファイルシステムの管理を行い、ファイル自体の読み書きを管理するオブジェクトストレージサーバ(OSS)、ファイルデータを格納するオブジェクトストレージターゲット(OST)と協調して動作する。
MDTやODTなどのストレージ管理には基盤となるファイルシステムとしてext4またはZFSが用いられる。理論上の最大ボリュームサイズは16エクサバイト(EB)、最大ファイルサイズは32ペタバイト(ext4使用の場合)または16エクサバイト(ZFS使用の場合)で、MDTあたり40億ファイルを格納でき、単一のファイルシステムを最大128基のMDTで構成することができる。
2003年に初版が公開され、GPL(GNU General Public License)に基づいてオープンソースソフトウェアとして配布されている。初期の開発チームはクラスターファイルシステムズ(Cluster File Systems)社を設立して開発やサポートにあたっていた。
その後、同社は買収や分離など紆余曲折を経て、現在は米DDN社のWhamcloud部門が商業展開を行っている。2018年には大手クラウドサービスのAmazon Web Services(AWS)が「Amazon FSx for Lustre」というフルマネージ型のLustreファイル管理サービスを開始している。