アカウント 【account】
概要
アカウント(account)とは、口座、勘定、帳簿、説明(する)、釈明(する)、占める、責任を取る、記述、報告書、顧客、得意先、信用取引などの意味を持つ英単語。ITの分野では、コンピュータやネットワークなどを利用するのに必要な権利のことを「ユーザーアカウント」(user account)あるいは単にアカウントという。現代のコンピュータシステムやネットサービスのほとんどは、ある人物が使用しているシステムを他人が勝手に操作したり、本人に関する情報の覗き見や改竄ができないよう、利用者をあらかじめ登録し、操作者を識別して本人であると確認する仕組みを備えている。
アカウントは個々の利用者や利用者の集団ごとに登録・発行され、登録番号や識別名(ユーザー名、アカウント名)などの識別情報(ID:IDentifier)と、本人確認のための暗証番号やパスワードなどの認証情報、システム上の機能やデータなど様々な資源に対する権限(アクセス権)などの設定情報で構成される。システム側でこれらの情報をひとまとめに構造化して保存したものをアカウントということもある。
ネットサービスなどでは、各アカウントに識別や認証に必要な情報だけでなく、氏名や住所などの個人情報、クレジットカード番号や銀行口座などの決済情報、サービス上の利用設定や利用履歴などが紐づけられて保管される場合もある。
アカウントごとに記録された情報を用いて、利用者ごとにサービス内容を変化させたり、毎回同じ情報を入力する手間を省いて円滑にサービスを利用できるようにすることができる。ただし、アカウントが乗っ取られた際の被害も大きくなるリスクがある。
利用者がシステムに識別名と認証情報を提示・入力して接続や利用開始を申請することを「ログイン」(login)あるいは「ログオン」(logon)という。最も広く普及している認証方式はアカウント名と秘密の文字列を入力する「パスワード認証」である。
他にも、人体の特徴的なパターンを利用する「生体認証」(バイオメトリクス認証)や、登録したスマートフォンなどにその場限りの秘密の番号を送る「SMS認証」などが用いられることがある。異なる認証手順を2つ組み合わせる「二段階認証」、異なる種類の認証を2つ組み合わせる「二要素認証」も用いられる。