BranchCache 【ブランチキャッシュ】

概要

BranchCache(ブランチキャッシュ)とは、Windowsネットワーク機能の一つで、遠隔地にあるサーバから読み込んだファイルの複製を一時保管(キャッシュ)しておき、周囲のコンピュータからそのファイルへのアクセスがあると複製を提供する仕組み。広域回線によるデータ伝送を軽減できる。

企業などで複数の拠点が広域回線網(WAN)で接続されている場合に利用される機能で、あるWindowsコンピュータが遠隔地のWindows Serverからファイルを読み込んだらローカルに保管しておき、同じネットワークの別のコンピュータが同じファイルを読み込む際には保管しておいたファイルを提供する。

コンピュータが同じファイルへバラバラにアクセスすると同じファイルを何度も広域回線を通じて転送しなければならずコストや伝送速度への負荷が大きいが、BranchCacheが有効であれば同じファイルへのアクセスは最初の一度だけで済むため、回線を効率的に使用することができる。

ネットワークの運用形態に応じて二つの動作モードを選択できる。「ホスト型キャッシュモード」はローカル側のWindows Serverキャッシュを一括管理する方式で、各クライアントは取り寄せたファイルサーバに提供し、他のクライアントサーバに問い合わせをう。運用にはWindows Serverマシンが必須となる。

一方、「分散キャッシュモード」では各クライアントが個別にキャッシュを管理して互いにファイルを融通し合う。ローカル側にWindows Serverが無くても利用できるが、各クライアントの負荷が大きく、キャッシュを持つクライアントシャットダウンされてしまうと他のクライアントキャッシュを利用できない。

Windowsシステム上の機能であり、適用されるファイル転送サービスファイル共有SMB)、Web閲覧(HTTP/HTTPS)、BITSBackground Intelligent Transfer Service)など幅広い。Windows 7およびWindows Server 2008 R2から提供されており、以降のバージョンWindowsおよびWindows Serverで利用できる。

(2021.12.15更新)

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この記事の著者 : (株)インセプト IT用語辞典 e-Words 編集部
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