インプレースアップグレード 【in-place upgrade】
単体のコンピュータについて言う場合は、古いバージョンが稼働しているシステムに新しいバージョンを上書きし、データなどを引き継ぐことをインプレースアップグレードということが多い。「上書きインストール」「アップグレードインストール」とも呼ばれる。
古いバージョンに関連するファイルや設定を完全に削除したり、ストレージをフォーマットするなどして、既存の環境を消去してから新しいバージョンを新規に導入する「クリーンインストール」などと対比される。
Windowsでは同じバージョンのシステムにインプレースアップグレードを行うことができる。同じバージョンであるためアップグレードではなくインストールのやり直しとなるが、通常の再インストール操作とは異なり現在の環境に含まれる設定やファイルを温存したままOSを入れ直すことができる。
分散システムの場合
複数のコンピュータで並列・分散処理を行っているシステムについて言う場合は、稼働中のシステムを一旦停止し、すべてのソフトウェアを新しいものに入れ替えて再稼働する方式をインプレースアップグレードという。
稼働の中断時間が生じるが、新旧の環境が混在しないためデータの整合性などに問題が起こりにくい。これに対し、別の機材で新しいバージョンを稼働させて古い環境を置き換える方式を「マイグレーション」、システムを稼動状態のまま一台ずつ順番に更新する方式を「ローリングアップグレード」という。
(2024.2.26更新)