Samba
概要
Sambaとは、Windowsネットワークの諸機能をWindows以外のシステムで利用できるようにするソフトウェア。主にLinuxなどのUNIX系OSで動作するコンピュータをWindowsネットワーク上のサーバやクライアントとして利用するために用いられる。WindowsやWindows Serverに実装されているファイル共有機能などを移植した互換ソフトウェアで、SMB(Server Message Block)やCIFS(Common Internet File System)、NBT(NetBIOS over TCP/IP)、MS-RPC(Microsoft Remote Procedure Call)などWindows独自のプロトコル(通信規約)や仕様に対応している。
Windowsネットワーク内でファイルサーバやプリントサーバ、WINSサーバ、ドメインコントローラ(NTドメイン/Active Directoryドメイン)などとして機能する。クライアントとして他のWindows機やSamba機が提供する共有フォルダや共有プリンタを利用したり、NTドメインやActive Directoryドメインに参加したりすることもできる。
歴史
前身の「nbserver」(NetBIOS Serverの意)はアンドリュー・トリジェル(Andrew Tridgell)氏によって1992年に開発された。1993年にファイル共有機能のプログラムが「smbserver」となったが、他社の商標であることが判明したため1994年に「Samba」に改称された。2003年のバージョン3でActive Directoryに対応し、2012年のバージョン4からはフル機能のActive Directoryドメインコントローラとして利用できる。
GPL(GNU General Public License)に基づいてオープンソースソフトウェアとして公開されている。主要なLinuxディストリビューションの多くが標準で同梱しており、サーバに導入後すぐに利用することができる。
米アップル(Apple)社のMac OS X(現macOS)も初期のバージョンではWindows互換機能としてSambaを内蔵していた(その後独自開発のソフトウェアに移行)。高額なWindows Serverのライセンス料を回避して低コストにWindows向けファイルサーバを構築できるシステムとして根強い人気がある。