ページャ【pager】
概要
コマンドライン環境におけるページャ
UNIX系OSのコマンドラインインターフェース(CLI)環境では、標準入力やファイルから受け取った長いテキストデータを処理し、表示端末の一行あたりの文字数や一画面あたりの行数に合わせて区切り、一度にすべてが表示されずに一時停止しながら出力するためのコマンドをページャという。
もし、数千行に及ぶような長いテキストファイルを、ページャを経由させずに単純にcatコマンドなどで画面に出力した場合、データは一気に流れてしまい、利用者が内容を読み取る間もなく、出力はファイルの末尾まで達してしまう。
このような場合、ページャを通して出力するよう指示することで、一画面に収まる分量を表示し終えるごとに処理が一旦停止する。利用者は、特定のキー操作(例えば、スペースキーやEnterキーの押下)を行うことで、次のページ(一画面分先の内容)へ進むことができる。高機能なページャであれば、前のページに戻ったり、特定の文字列を検索してその箇所を表示するといった操作も可能である。
ページャ機能を持つコマンドとしては、「moreコマンド」や、より多機能でファイルの先頭だけでなく後方にも自由に戻れることから名付けられた「lessコマンド」が広く知られている。これらのコマンドは、OSが出力するログファイルや、プログラムのマニュアルページ(man page)を参照する際などに不可欠なツールとなっている。
他の分野でのページャ
ページャという概念は、コマンドライン環境に留まらず、他のデータ処理の分野にも適用されている。例えば、大規模なデータベースから表形式のデータ群を検索・出力するアプリケーションで、人間が視覚的に扱いやすいように、「1ページあたり20件」といったように検索結果やリストを一定件数ごとに分割して表示する機能もページャという。
また、Webサイトのコンテンツ管理システムやWebブラウザの拡張機能などで、長い記事を自動的に複数のWebページに分割し、ページ間を行き来するナビゲーションリンクを付加する機能を「ページャ」あるいは「ページネーション機能」という。長大なデータを区切って利用者にとって見やすく提示するという機能は共通している。
通信端末のページャ
同音異義語として、かつて普及した公衆無線呼び出しサービスの一般名を「ページャ」ということがある。日本ではNTTドコモ(サービス開始当時は電電公社)のサービス名称(登録商標)である「ポケットベル」および略称の「ポケベル」が広く知られている。
他社の同様のサービスを含む無線呼び出しサービスの一般名として言及する時には、英語における一般名である “pager” を音写してページャと呼ぶのが正しいとされる。しかし、あまりにポケットベルが普及したため、他社サービスや端末を含め、一般名を「ポケベル」とする用法が広まっており、ページャという呼称には馴染みがない。
