xinetd

概要

xinetdとは、LinuxなどのUNIX系OSでよく利用される常駐プログラム(デーモン)の一つで、inetdを改良したもの。ネットワーク接続の待ち受けを行い、接続要求に応じて必要なデーモンを起動して処理を引き継ぐ役割を果たす。

inetdは「スーパーサーバ」と呼ばれる種類のデーモンで、サーバが提供する様々なサービスの窓口となるTCPやUDPのポート番号を監視し、接続があると実際にサービスを提供するデーモンを起動する。すべてのデーモンが常時待ち受け状態で待機している必要がなくなるため、メモリの利用効率などが改善される。

xinetdはinetdの改良版で、inetdではあまり考慮されていなかったセキュリティ関連の機能などが追加されている。inetdと併用されることが多かったTCP wrapperに近いアクセス制御が可能で、IPアドレスや時刻に基づいて接続を制限することができる。

サーバの負荷が過大にならないよう調整する機能もあり、1秒あたりの接続回数、同時に起動可能なデーモン(インスタンス)の数、CPU使用率、同じクライアントからの同時接続数などに上限を設け、これを超えると進行中の処理が終わるまで一時的にサービス提供を停止する。

他にも、ログの記録設定を細かく指定したり、複数のIPアドレスで運用している場合にアドレスごとに待ち受けるサービスを指定したり、特定のポートへの接続要求を他のホストの特定のポートへ転送(リダイレクト/フォワーディング)するといった機能が利用できる。

(2021.12.7更新)

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この記事の著者 : (株)インセプト IT用語辞典 e-Words 編集部
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