リモートデスクトップ 【remote desktop】

概要

リモートデスクトップ(remote desktop)とは、あるコンピュータのデスクトップ画面を、ネットワークを通じて他のコンピュータに転送して遠隔から操作すること。また、特に、Windowsに標準で搭載されているそのような機能(リモートデスクトップ接続)のこと。

デスクトップはOSの操作画面の基本であり、プログラムやデータ、ファイル、システムの設定などを表示・操作する窓口となる。通常はコンピュータ本体に接続されたディスプレイ装置に映し出され、コンピュータの前にいる利用者だけが目にすることができる。

リモートデスクトップではこのデスクトップ画面を特別なソフトウェアによって外部の別のコンピュータへ転送し、そのコンピュータの画面上に映し出す。転送先のコンピュータの利用者がキーボードやマウスなどを操作すると、入力情報が転送元のコンピュータに伝えられ、あたかも目の前のコンピュータを操作しているかのように遠隔から操作することができる。

最もよく知られ、また利用されているのはWindows標準のリモートデスクトップ機能だが、様々な機種やOSに対応したVNCVirtual Network Computing)や、米シトリックスシステムズCitrix Systems)社の一連の製品群、米グーグル(Google)社がWebブラウザの拡張機能として提供しているChromeリモートデスクトップ、米アップル(Apple)社がmacOS(Mac OS X)向けに提供しているARD(Apple Remote Desktop)など様々なシステムがある。

UNIX系OSで標準的に使われているX Window Systemも、あるコンピュータで動作するプログラムの表示や操作をネットワーク越しに遠隔の端末で行うため一種のリモートデスクトップのように機能するが、プログラムが実行されるコンピュータで表示されるべきデスクトップ画面を転送しているわけではないためリモートデスクトップには含めないのが一般的である。

同じように、仮想化技術を用いてサーバ側で集中的にデスクトップ環境を立ち上げ、ネットワークを介して端末に転送して利用者が表示・操作する仕組みもあるが、これは「仮想デスクトップインフラ」(VDI:Virtual Desktop Infrastructure)と呼ばれる。

(2018.8.11更新)