tar 【tape archives】 tarファイル / tarコマンド

概要

tar(tape archives)とは、複数のファイルを一つにまとめて格納するアーカイブ(書庫)ファイルの形式の一つ。また、同形式のファイルの操作をうためのUNIX系OS標準のコマンドおよびプログラムの名前。tar形式の書庫ファイルは「tarball」(ターボール)とも呼ばれ、ファイル名末尾の標準の拡張子は「.tar」。

利用者の指定した複数のファイルを連結した一つのファイルを作成することができ、多数のファイルで構成されるデータプログラムなどを装置間や利用者間、コンピュータ間で複製、配布などする際に、一つ一つ指定しなくてもまとめて扱えるようになる。

一つにまとめたファイルは「アーカイブファイル」(archive file)あるいは「書庫ファイル」と呼ばれ、元のファイルが保存されていたディレクトリの構造やファイルの配置、作成日時や最終更新日時、所有者やアクセス権パーミッション)に関する情報など、ファイルに付随する情報も保存することができる。

tarコマンドでは利用者引数として指定したファイル群をまとめたtar形式の書庫ファイルを作成したり、tar形式のファイルに格納されたファイルディレクトリの一部または全部(オプションで選択可能)を取り出して記憶装置に展開したりすることができる。

“tar” は “tape archive” (テープアーカイブ)の略で、もともとバックアップや長期保管などのために磁気テープ装置にまとめてデータを書き出す際に用いられたことからこのような名称になったが、ハードディスクSSDなど任意のストレージ装置で利用できる。

tar形式およびtarコマンドにはデータ圧縮の機能はないため、他の圧縮プログラムおよび圧縮形式と組み合わせて使用されることが多い。特によく使われるのはgzip形式.gzファイル)やbzip2形式(.bz2ファイル)で、これらを併用して作成された圧縮書庫ファイルファイル名の末尾はそれぞれ「.tar.gz」「.tar.bz2」といった二重拡張子になる。

(2024.1.18更新)

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この記事の著者 : (株)インセプト IT用語辞典 e-Words 編集部
1997年8月より「IT用語辞典 e-Words」を執筆・編集しています。累計公開記事数は1万ページ以上、累計サイト訪問者数は1億人以上です。学術論文や官公庁の資料などへも多数の記事が引用・参照されています。
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