ディスパッチ 【dispatch】 ディスパッチング
概要
ディスパッチ(dispatch)とは、発送(する)、派遣(する)などの意味を持つ英単語で、ITの分野では同種の複数の対象から一つを選び出したり、データの送信、資源の割り当て、機能の呼び出しなどを表すことが多い。複数のプログラムを同時並列に動作させるマルチタスクやマルチスレッドに対応したオペレーティングシステム(OS)で、待機状態のタスクやスレッドにCPUの処理時間を割り当て、処理を実行させることをディスパッチという。
マルチタスクに対応したOSでは複数の命令の流れを並行して実行状態におくが、プロセッサ(やプロセッサコア)の数は限られるため、ごく短時間ごとに実行と一時停止を切り替えて順番にプロセッサを利用する。
待ち状態のプロセスの中から優先順位などを見て次に実行すべきプロセスを決め、プロセッサでの実行を許可する動作のことをディスパッチという。逆に、実行状態のプロセスを一旦停止して待機状態に戻す動作は「プリエンプション」(preemption)という。
一般のビジネス分野では、スタッフに仕事を割り当てたり作業の指示を行う業務のことを「ディスパッチ」あるいは「ディスパッチング」、そのような業務を行う担当者を「ディスパッチャー」ということがある。物流業界や航空業界などで用例が見られる。
(2025.8.6更新)