tracerouteコマンド 【tracert】
概要
tracerouteコマンド(tracert)とは、UNIX系OSやWindowsなどが備えるコマンドの一つで、そのコンピュータからIPネットワーク上の別の機器までの経路を調べて中継機器のアドレスなどを一覧表示するもの。UNIXでは「traceroute」、Windowsでは「tracert」というコマンド名になっている。インターネットなどのIPネットワークにおける特定のIPアドレスまでの経路情報を調べるコマンドで、引数として調べたい相手先のアドレスを入力すると、経路上に存在する中継ノード(ルータなど)のホスト名(FQDN)やIPアドレス、応答時間を調べて近い順に表示する。
オプションとして最大ホップ数を指定すると、中継回数がその値を超えたところでそれ以上先の経路の探索を打ち切る。また、中継ノードの応答時間が規定の値を超過すると応答なしと判断するが、どのくらい待つか(タイムアウト時間)を指定することもできる。
相手からの応答を調べるコマンドとしてpingがよく知られるが、pingは特定の相手が応答するかどうかしか知ることができない。tracerouteコマンドを使えば相手までの経路上のどの機器やネットワークで通信が途絶えているかを調べることができる。
各ノードが応答するかどうか確かめるために無内容のパケットの転送を試みるが、デフォルトではUDPデータグラムやICMPエコーリクエストが送られることが多い。これらのプロトコルやポート、パケットを設定でブロックしているノードの場合、TCPなどでは通信可能でもtracerouteコマンドでは無応答と判定される場合がある。使用するプロトコルやポート番号を利用者が引数で指定できる実装もある。
(2019.7.10更新)