WSUS 【Windows Server Update Services】

概要

WSUS(Windows Server Update Services)とは、米マイクロソフト(Microsoft)社が企業などの情報システム管理者向けに配布しているソフトウェアで、管理下のパソコンなどに同社製ソフトウェアの更新プログラムを配信・適用するもの。Windows Serverの標準機能として提供される。

Windowsには、同社サイトに接続してソフトウェアの更新プログラムを自動的に入手・適用する「Windows Update」(ウィンドウズ・アップデート)という仕組みがあり、個人所有のWindowsパソコンではこれを通じてソフトウェアの更新が自動的に配信・適用される。

しかし、組織内の多数の端末が個別にWindows Updateを行うと、同時期に同じ更新プログラムを台数分だけ繰り返しダウンロードすることになり、外部との通信回線を圧迫してしまう。また、更新プログラムが社内システムと相性が悪く予期せぬトラブルを引き起こしたり、業務時間中に更新や再起動が行われ作業を止めてしまうことがある。

このような場合に、WSUSを導入したサーバを社内に設置し、内部の端末にはWSUSを経由して更新を行うよう設定する。管理者は更新プログラムを適用前にテストして問題ないことを確認したり、不都合なものは配信を抑止することができる。

各端末が更新作業を行うスケジュールも指定することができ、無人の時間帯に更新を済ませておくことができる。端末を部署などに基づいてグループ分けし、それぞれに適用するプログラムを選択したり、コンピュータごとの適用状況を把握してレポートを作成するといった管理機能も提供される。

Windowsネットワークで利用者アカウントやネットワーク内の資源を登録し一元的に管理する「Active Directory」(AD)と連携することもできる。WSUSのみを利用する場合、個々の端末にWSUSサーバを利用するための設定を個別に行う必要があるが、ADと連携する場合はWSUSの接続設定や更新のタイミングなどの情報をADから自動配信することができ、管理者が遠隔から一括設定できる。

(2023.2.10更新)

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この記事の著者 : (株)インセプト IT用語辞典 e-Words 編集部
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