Emacs 【Editing macros】 GNU Emacs
主にテキストファイルの作成・編集を行うためのソフトウェアで、画面(通常は全画面)に複数行のテキストを表示してリアルタイムに表示に反映させながら編集することができる。今日のソフトウェアの動作としては一般的だが、開発当初の時代には画期的な動作方式だった。
原則としてすべての操作をキーボードにより行うよう設計されており、Ctrlキー(コントロールキー)などの修飾キーと文字キーを組み合わせて数多くのコマンド(機能)を呼び出すことができる。UNIX環境下でキーカスタマイズ機能を用いてCapsLockキーとCtrlキーを入れ替える人が多いのはEmacsを利用する際にCtrlキーを左手の小指で抑えやすいようにするのが由来と言われるほど、キー操作による機能呼び出しは多用される。
関数型プログラミング言語の一種であるLISP言語の独自実装「Emacs Lisp」(elisp)を内蔵しており、LISP言語で拡張機能(スクリプト)を記述して追加することができる。作成したスクリプトは「.el」の拡張子を持つファイルに保存することもでき、インターネットなどを通じて便利なスクリプトが数多く公開されている。
オリジナルのEmacsは1970年代に開発が始まり、数多くの派生ソフトウェアが産み出されたが、現代では単にEmacsと言った場合はGNUプロジェクトによるGNU Emacsを指すことが多い。これは1984年にGNU/FSF創設者のリチャード・ストールマン(Richard M. Stallman)氏が開発し始めたもので、GPLに基づいてオープンソースソフトウェアとして公開され、ソースコードを含め誰でも自由に取り扱うことができる。他の派生ソフトウェアとしてはXEmacsやMeadowなどがよく知られる。
(2018.5.16更新)