WMA 【Windows Media Audio】 .wmaファイル
概要
WMA(Windows Media Audio)とは、米マイクロソフト(Microsoft)社が開発した音声データの圧縮符号化方式。単体で保存する際の標準のファイル拡張子は「.wma」で、動画に付随する音声として動画ファイルに保存される場合もある。同社のWindowsなどが標準で対応している。人間の聴覚では気付きにくいようにデータをわずかに改変したり間引くことにより劇的に圧縮効率を高める非可逆圧縮方式を採用しており、符号化時に利用者が希望する音質と圧縮率の組み合わせを段階的に選択することができる。高い音質なら低い圧縮率(圧縮後のデータが大きい)、低い音質なら高い圧縮率となる。
発表当初に音声圧縮の標準的な形式だったMP3(MPEG Audio Layer-3)とよく比較されたが、同社では同じ程度の音質ならWMAはMP3の半分程度のデータ量で済む(CD並みの音質を64kbpsで記録可能)としている。バージョンが上がるに連れてアルゴリズムが改良され、圧縮効率は向上している。
また、当初は単位時間あたり常に同じビット数で記録する固定ビットレート(CBR:Constant Bit-Rate)方式のみの対応だったが、バージョン9から変化の激しい箇所に多くのビット数を割り当てる可変ビットレート(VBR:Variable Bit-Rate)や、VBRの平均データ量が一定になるよう調整する平均ビットレート(ABR:Averate Bit-Rate)にも対応するようになった。
1999年に最初のバージョンが公開され、Windows Media Playerの更新に合わせて新バージョンが発表されてきた。派生仕様として可逆圧縮の「WMA Lossless」、声の録音に特化した「WMA Voice」、より高音質で多チャンネル(最高7.1ch)対応の「WMA Pro」が追加された。これらと対比して通常のWMAを「WMA Standard」ということもあるが、明記しなくても単にWMAと言えばこれを指すことがほとんどである。
(2019.1.13更新)