Microsoft Azure 【Windows Azure】

概要

Microsoft Azure（Windows Azure）とは、米マイクロソフト(Microsoft)社によるクラウドサービスで、利用者が自らのシステムを運用するためのIaaS(Infrastructure as a Service)やPaaS(Platform as a Service)を中心とする各種の業務用サービスをまとめたもの。10以上の分野で100以上のサービスを提供している。

同社のデータセンター内で稼働するサーバコンピュータや記憶装置、ソフトウェアなどの資源をサービスとしてインターネットなどの通信ネットワークを通じて提供するもので、顧客は期間や使用量に応じた料金を支払い、自らに必要なシステムを構築・運用することができる。

他社による競合サービスとしては、米アマゾン・ドットコム（Amazon.com）社の「Amazon Web Services」（AWS）、米グーグル（Google）社の「Google Cloud Platform」（GCP）、米IBM社の「IBM Cloud」など世界的なネット大手・IT大手によるサービスなどがあり、Microsoft Azureはこれらと並ぶ世界的なクラウドサービス最大手の一角に数えられる。

また、同社では業務用のMicrosoft Azureとは別に、一般消費者向けも含むクラウドサービスとして、Microsoft Officeをクラウド化した「Office 365」やオンラインストレージ「OneDrive」などのSaaSも提供している。

IaaS

「Azure Virtual Machines」サービスであらかじめ用意された構成のWindows ServerやUbuntu Linuxの仮想マシンをすぐに構築・運用できるほか、「Azure Container Instances」や「Azure Kubernetes Service」によりコンテナ単位の展開を素早く行うことができる。

「Azure Linux Virtual Machines」で利用者が好きなLinuxディストリビューションを導入して独自に構成して運用することもできる。

PaaS

「Azure App Service」により.NETやJava、Node.js（JavaScript）、Python、PHP、Rubyなどで開発されたアプリケーションをWindowsあるいはLinuxサーバ上ですぐに展開することができる。Webアプリケーションの場合はWeb環境に特化した「Web Apps」を使うこともできる。

また、小規模な関数を手軽に記述してクラウド上で公開するサーバレスアーキテクチャを実現するサービスとして「Azure Functions」が提供され、API型のサービスやアプリケーションを迅速に開発することができる。

ストレージとデータベース

仮想マシン上のソフトウェアが利用できる記憶域として「Azure Storage」が提供されており、ハードディスクやSSDなどを選択できる「Azure Disk Storage」、非構造化データを格納するオブジェクトストレージ「Azure Blob Storage」などが用意されている。

また、SMBによりWindowsコンピュータのファイル共有機能からアクセスできる「Azure Files」、仮想マシン上のデータを常時バックアップして保護することができる「Azure Backup」、読み書きは低速だが容量単価が極めて低く、低頻度にアクセスされるデータを長期保存するのに適した「Azure Archive Storage」など補助的なサービスも提供されている。

データベース管理システム（DBMS）も充実しており、同社のSQL Serverを仮想マシン上で実行する「SQL Server on Virtual Machines」、RDBMSをサービスとして利用できる「Azure SQL Database」、人気のオープンソース RDBMSをAzure上のサービスとして利用できる「Azure Database for MySQL/PostgreSQL/MariaDB」、KVS/NoSQLの「Azure Table Storage」などが用意されている。