139番ポート 【port 139】 ポート139 / TCP139番

概要

139番ポート(port 139)とは、インターネットなどの通信アプリケーションの種類や通信規約(プロトコル)の識別に用いられるポート番号の一つ。通常はWindowsネットワークSMB(Server Message Block)によるファイル共有などをう際に利用される。

ポート番号とは

インターネットではネットワーク層プロトコルとしてIPInternet Protocol)を用いるが、その上位のトランスポート層プロトコルとしてTCPTransmission Control Protocol)あるいはUDPUser Datagram Protocol)をよく用いる。

これらは同じ機器(一つのIPアドレス)で複数の異なるアプリケーションが同時に通信したり、異なる通信相手と同時に通信できるよう、データの送受信の窓口となる「ポート」という仕組みを備えている。ポートの識別や指定は0から65535までの整数でい、これを「ポート番号」という。

139番ポートの用途

139番ポートはそのようなポート番号の一つで、Windowsネットワーク機能であるNBTNetBIOS over TCP/IP)において、コンピュータ間で接続(セッション)を確立し、アプリケーション間でデータを送受信できるようにする「NetBIOSセッションサービス」(NetBIOS Session Service)機能に用いられる。

NetBIOSは汎用的なネットワーク機能で、確立したセッション上では様々な機能を利用することができる。代表的な機能はhファイル共有プリンタ共有で、SMBという通信規約プロトコル)を用いてファイルや印刷データの送受信をう。近年のWindowsではNetBIOSを経由せずTCP/IPで直にファイル共有う「ダイレクトホストSMB」が一般的で、その場合は139番ではなく445番ポートを用いる

この用途はインターネット運用団体のIANAによって「NETBIOS Session Service」(netbios-ssn)の名称で登録されており、いわゆる「ウェルノウンポート」(現在は正式には「システムポート」)の一つとして定着している。TCPUDPの両方が割り当てられているが、通常はTCPを利用する。

NetBIOSSMBのようなWindowsネットワーク機能は通常は組織内ネットワークの内部でのみ利用される。よくサイバー攻撃の標的となるため、何らかの事情でどうしても必要でない限り139番ポートはネットワーク境界で遮断するようルータファイアウォールなどに設定しておくべきとされる。このようなポートは他に135番137138番445番などがある。

(2022.12.29更新)
この記事の著者 : (株)インセプト IT用語辞典 e-Words 編集部
1997年8月より「IT用語辞典 e-Words」を執筆・編集しています。累計公開記事数は1万ページ以上、累計サイト訪問者数は1億人以上です。学術論文や官公庁の資料などへも多数の記事が引用・参照されています。
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