DRBD 【Distributed Replicated Block Device】
概要
DRBD(Distributed Replicated Block Device)とは、ネットワークを通じて離れたコンピュータ同士の間でストレージ装置を統合的に管理し、データを多重化して保存するLinux向けソフトウェア。墺リンビット(LINBIT)社が開発し、オープンソースソフトウェアとして公開している。DRBDが導入された複数のLinuxサーバ上のストレージ装置の間でリアルタイムにデータの複製を行い、複数の装置に同じデータが記録された状態を維持する。機能的にはRAID 1(ミラーリング)に似ているが、ソフトウェアのみで実装され機器を選ばない点や、ネットワークを通じて複数のコンピュータにまたがって動作する点などが異なる。
通常は2台のストレージ間でミラーリングを行い(最大4台)、データ本体を管理するプライマリノードの内容をセカンダリノードに複製して記録する。プライマリノードが停止するとセカンダリノードがプライマリとなり処理を引き継ぐ。旧プライマリが復帰したらセカンダリとして使用するか、再度プライマリに戻すことができる。
DRBDで管理する記憶領域は上位のシステムからは一般的なブロックデバイスに見えるため、ファイルシステムを作成してファイルやディレクトリの読み書きを行うなど、物理的なストレージ装置に可能な操作はほとんどそのまま適用できる。
主にクラスタシステムのデータ管理に用いられ、SANやNASなどの共有ストレージに比べ単一障害点(SPOF:Single Point Of Failure)が生じない点、読み出しが常にローカルから行われ高性能な点が優れているが、ネットワークの速度や回線容量がボトルネックになりがちな点、データ量の2倍の記憶容量が必要となる点などに留意が必要となる。
(2021.2.10更新)