Windows CE
概要
Windows CEとは、米マイクロソフト(Microsoft)社の組み込み機器向けOSの一つで、携帯機器や小型の電子機器、家庭用デジタル機器などに適した製品。1996年から2007年まで展開されていた。組み込み機器の制御用コンピュータ向けに開発されたWindowsで、パソコンやサーバ向けのWindowsが対応する米インテル(Intel)社などのx86系マイクロプロセッサ(CPU/MPU)だけでなく、組み込み機器で一般的なARM、MIPS、PowerPC、SuperHの各種RISC系CPUで動作する。
処理要求に対して規定の時間内に応答を返す「リアルタイムOS」(RTOS)として設計されており、機器の制御に適している。必要な機能のみを組み合わせてOSを再構成することができ、メモリやストレージの容量が乏しい機器でも軽快に動作させることができる。
情報をメインに取り扱う小型のデジタル機器などでよく採用され、ハンディターミナルやPOSレジ、カーナビゲーションシステム、家庭用ゲーム機(セガ・エンタープライゼスのドリームキャスト)、ポータブルメディアプレーヤー、シンクライアント端末などに採用された。
最初のバージョンは1996年に提供され、バージョン4は「Windows CE .NET 4.0」、バージョン6は「Windows Embedded CE 6.0」などと名称が頻繁に変更された。2007年からは製品ブランドが「Windows Embedded」に再編され、Windows CEの後継(バージョン7や2013)は小型機器向けの「Windows Embedded Compact」シリーズとして展開された。2015年には再びブランドが再編され「Windows 10 IoT」シリーズが後継となっている。
(2022.5.10更新)