NBT 【NetBIOS over TCP/IP】 NetBT
NetBIOSはWindowsのファイル共有(共有フォルダ)やプリンタ共有などの基盤となるネットワーク技術で、制御情報やデータを伝送するプロトコル(通信規約)として、当初は独自の「NetBEUI」プロトコルを利用していた。
NBTはNetBIOSの機能をIPネットワーク上で利用できるようにする仕様で、ルータをまたいで異なるネットワークのコンピュータにアクセスしたり、インターネットを経由してサービスを利用できるようになった。企業内LANなどでNetBEUIとTCP/IPを両方サポートする必要がなくなり、ネットワーク構築・運用の負担が軽減された。
NBTはトランスポート層のプロトコルとしてTCP(Transmission Control Protocol)およびUDP(User Datagram Protocol)の両方を使い分け、ポート137番から139番を用いて通信する。仕様は1987年にRFC 1001およびRFC 1002として公開されており、開発元の米マイクロソフト(Microsoft)社以外の製品も対応している。
NBTはインターネットを通じて社内LANのファイル共有サーバなどにアクセスできるため、不適切な運用環境だと外部から重要なファイルを盗み取られるなどの攻撃に遭いやすい。通常はインターネット側からアクセスできないように運用すべきとされ、137~139番ポートはルータやファイアウォールなどで遮断することが多い。
インターネットの普及以降は社内LANや家庭内LANをTCP/IPで運用するのが一般的となったため、NetBIOS関連サービスの利用はNBTを経由するのが標準となり、NetBEUIはWindows XP以降でオプション扱いとなり、Windows 7以降では完全に削除された。