Debian GNU/Linux
概要

世界中のボランティア開発者によって構成されるDebian Projectが開発・維持しているディストリビューションである。1993年にイアン・マードック(Ian A. Murdock)氏によって創設され、以来30年以上にわたってコミュニティ主導で開発が続けられている。サーバからデスクトップ、組み込み機器まで様々な用途で利用されており、安定性と信頼性を重視した設計で知られる。
パッケージ管理には「dpkg」という独自のツールを用い、.deb形式のファイルでソフトウェアを配布する。現在では、dpkgを基盤としてより高水準な管理を実現する「APT」(Advanced Packaging Tool)を介して操作するのが一般的で、aptコマンドによってソフトウェアの検索やインストール、更新、削除を行うことができる。オンラインのリポジトリから多数のソフトウェアを導入でき、依存関係の解決も自動的に処理される。
ソフトウェアの収録基準として「Debianフリーソフトウェアガイドライン」(DFSG)を定めており、GPL(GNU General Public License)をはじめとする完全にフリーなライセンスのソフトウェアのみをメインリポジトリに収録している。名称に「GNU」を含むが、GNUプロジェクトが開発しているわけではなく、GNUのソフトウェアを多く採用していることに由来する。非フリーなソフトウェアは別リポジトリとして提供されており、利用者は必要に応じて追加できる仕組みになっている。
対応するCPUアーキテクチャも豊富で、x86系やARM系をはじめ様々な環境向けに提供されている。リリースは安定版、テスト版、開発版の3系統が並行して維持されており、安定版は長期にわたるセキュリティサポートが提供される。Ubuntuやその派生であるLinux Mintなど、Debianを基盤とした派生ディストリビューションも数多く存在する。
姉妹プロジェクトとして、LinuxカーネルをFreeBSDカーネルに置き換えた「Debian GNU/kFreeBSD」や、GNU Hurdカーネルを採用した「Debian GNU/Hurd」がある。いずれもDebianのパッケージ管理システムやユーザーランドをそのまま活用しつつ、異なるカーネルと組み合わせるプロジェクトであり、開発が継続されている。