オフセット 【offset】
概要
オフセット(offset)とは、埋め合わせ(る)、相殺する(もの)、補う、補正(する)、補正値、代償、分派などの意味を持つ英単語。ITの分野では、何かの位置を指し示す際に、基準となる位置からの差(距離、ズレ、相対位置)を表す値のことをオフセットということが多い。解説 例えば、メモリ上の連続した領域にデータの集合体が記録されており、そのうちの一つにアクセスする際に、データ集合の先頭のアドレス値と、先頭からの距離を用いて位置を指定する場合がある。後者のような、ある位置を基準とする相対的な距離などを表す数値のことを「オフセット値」あるいは単にオフセットという。
計測や制御などの分野では、機器の特性や状態、あるいは外部要因などによって測定値などに一律に生じる誤差を取り除くため、基準からのズレを相殺する補正値のことをオフセットと呼ぶことがある。誤差の傾向は装置や外部の環境によって変化することがあるため、定期的にオフセットの再設定が必要になる場合がある。
IT分野以外のオフセット
印刷分野では、インクを版からゴム製の筒に転写してから紙に印刷する手法を「オフセット印刷」という。自動車分野では、タイヤホイールの中心線と車軸の取付面の距離をオフセット(現在ではインセットという)と呼んだり、自動車同士が片側だけをぶつける正面衝突を「オフセット衝突」と呼ぶ。環境分野では、排出した二酸化炭素を炭素の固定化措置で相殺することを「カーボンオフセット」という。
(2025.8.29更新)