コマンド 【command】
概要
コマンド(command)とは、命令(する)、指揮(する)、指令、支配(する)などの意味を持つ英単語。ITの分野では、人間からコンピュータへ、あるいは、機器間やソフトウェア間で交わされる、実行すべき処理の指示や依頼などのことをコマンドという。OSのコマンド
単にコマンドと言った場合、コンピュータの利用者がオペレーティングシステム(OS)のシェルに与える文字列による命令(OSコマンド)のことを指すことが多い。多くのOSに実装されている機能で、「指定した文字列を表示する」「ファイルをコピーする」など、コンピュータの基本的な操作や管理の手段を提供する。
一般的なコマンド文は、何を実行するのかを表すコマンド名に続けて、操作対象や処理内容の詳細を伝える部分(引数、オプション、フラグ、パラメータなど)を記述する形式になっている。それらをどのような形式で記述すべきかはコマンドごとに決まりがあり、その通りに記述しなければエラーとなったり誤作動してしまう。コマンド名のみを指定する単機能のものもある。
例えば、LinuxなどのUNIX系OSのシェルに「ls -l /home/foo」と指示した場合、指定されたディレクトリの内容を一覧表示する「lsコマンド」を呼び出し、「/home/fooディレクトリを対象とする」「一列で表示する」(-lオプション)という指示を与えている。
コマンドラインインターフェース
ほとんどのOSには、利用者がキーボードでコマンドを入力し、システムが結果を画面に文字で表示する対話的な操作環境が用意されており、「コマンドラインインターフェース」(CLI:Command Line Interface)あるいは「コマンドプロンプト」(command prompt)などという。
UNIX系OSではデフォルト(標準)の操作環境がコマンド対話形式であるため、これを単に「シェル」(shell)ということが多い。OS以外にも、ソフトウェアの操作環境や管理ツールなどで対話的なコマンド形式を採用しているものは多く存在する。
内部コマンドと外部コマンド
コマンドを受け取ったシェルプログラムが解釈・実行することができるものを「内部コマンド」、シェル自体にはその機能がなく、外部のプログラムを起動して実行させるものを「外部コマンド」という。
実行の仕方や記法などは共通で、区別なく同じように利用できるが、外部コマンドはコマンド名が起動するプログラムの実行可能ファイル名(正確にはストレージ内での所在を示すパス)となっている。コマンド名を入力すると同名のプログラムが起動され、指示内容の処理を行う。
OS以外のコマンド
OSのコマンドに限らず様々な分野で、機器やソフトウェア、システムなどに対し指示や命令を一定の形式で記述したものや、人間が入力装置で一定の操作を行ったものをコマンドという。例えば、コンピュータの制御装置や制御プログラムが周辺機器に動作を指示するデータや、ビデオゲームでプレイヤーがキャラクターに行動を指示する操作などをコマンドということがある。