名前付きパイプ 【named pipe】 ネームドパイプ
UNIX系OSにはもともと、あるプログラムの標準出力を別のプログラムの標準入力に渡す「パイプ」(パイプライン)と呼ばれる仕組みがあり、コマンドを数珠繋ぎにして複雑な処理を行わせることができる連携機能として非常によく使われる。
名前付きパイプはプログラムが識別名を付けたパイプを作成する機能で、FIFO(先入れ先出し)方式で他のプログラムへデータを連続的に渡すことができる。一つのパイプを三つ以上のプログラムが同時にアクセスすることもでき、入力側と出力側が限定されない双方向の通信ができる。ネットワークを通じて他のコンピュータ上のプロセスと通信できる場合もある。
名前付きパイプの操作はファイルの入出力と同じ手順で行えるようになっており、特殊なパスを指定して「ファイルを開く」動作を行うとパイプが生成され、ファイルへのデータの書き込みや読み出しと同じ手順でパイプを通じた通信を行うことができる。不要になったらファイルを削除するようにパイプを削除する(Windowsではすべてのプログラムが接続を閉じると自動的に消滅する)。
なお、コマンド間を結ぶ通常のパイプを名前付きパイプと区別する文脈では「匿名パイプ」(anonymous pipe/無名パイプ/名前無しパイプ)の呼称が用いられることもある。
(2018.11.19更新)