レジストリ 【registry】
概要
レジストリ(registry)とは、登録、登記、登録所、登録簿などの意味を持つ英単語。ITの分野では、外部から情報の登録を受け付け、まとめて保管しておくシステムや機関のことを意味することが多い。Windowsのレジストリ
Windowsでシステム(OS)やアプリケーションソフトの設定データなどを一元管理するデータベースをレジストリという。ストレージ内のシステムドライブに保管されている。
内部は対象や内容に応じて複数のデータの集合体に分かれており、この集合体を「ハイブ」(hive)という。ハイブの内部はファイルシステムのような階層構造で管理されており、管理対象やソフトウェアの種類ごとに設定項目がまとめられている。
各項目はキー(key、項目名)と値(value)を一対一に対応付けたセットとして記録されている。値にはいくつかのデータ型が用意されており、文字列を格納できる文字列値や、任意のバイト列を格納できるバイナリ値、32ビットのビット列を格納できるDWORD値などが利用できる。
通常はプログラムが自動的にデータの記録や更新、削除などを行う。レジストリエディタ(regedit.exe)などを利用して利用者が直接編集することもできるが、誤った内容を登録するとシステムが起動しなくなったりアプリケーションが削除できなくなったりすることもあるため慎重に操作する必要がある。
ドメイン名のレジストリ
インターネット上の所在地を表すドメイン名の登録申請を受け付け、データベースの管理やアクセス手段の整備などを行う管理組織をレジストリという。データベースを一元的に管理するため、ドメイン名の最上位の識別名(トップレベルドメイン)ごとに一つのレジストリが存在する。
レジストリはドメインによって企業や非営利法人、公的機関など様々な主体が担っている。例えば、「.com」ドメインのレジストリは米ベリサイン(Verisign)社、日本を表す「.jp」ドメインのレジストリは株式会社日本レジストリサービス(JPRS)である。一つの機関が複数のドメインのレジストリを兼ねる場合もある。
一方、一般の個人や企業などからドメイン名の登録申請を受け付け、レジストリに登録申請を仲介する事業者は「レジストラ」(registrar)と呼ばれる。レジストリは登録申請を行うすべてのレジストラに対して中立・公平であることが求められ、ICANN認定レジストリでは各レジストラに平等に共有登録システム(SRS:Shared Registry System)の利用を許可する必要がある。