tcpdump
実行するとコンピュータが接続されたネットワーク上を流れるデータ(パケット)の内容を次々に表示させることができる。ネットワーク通信を行うソフトウェアを開発する際に実際に送受信されるデータを検証したり、コンピュータや通信機器の設定や挙動が意図した通りになっているか確かめるために用いられる。
オプションやパラメータの指定により、特定のネットワークインターフェースのみを対象としたり、特定のプロトコルの通信のみを対象としたり、特定のIPアドレスやポート番号を送信元や宛先に指定しているパケットのみを対象としたり、TCPヘッダのフラグなどから特定の通信状態のみを対象とするといった動作を指定することができる。
tcpdumpが動作しているコンピュータとは無関係(送信元ではなく宛先に指名されてもいない)な通信であってもNICに信号が到達すれば強制的に捕縛して表示させる「プロミスキャスモード」(promiscuous mode)という特殊な動作モードでNICを使用するため(オプションで解除できる)、実行には管理者権限が必要である。一般ユーザーが使用する場合はsudoコマンドなどで実行する。
最初のバージョンが1988年に公開された古いソフトウェアで、BSDライセンスに基づいてオープンソースソフトウェアとして公開されている。Linuxをはじめ多くのUNIX系OSに移植され標準的に使用されており、Windows移植版の「WinDump」も公開されている。
(2021.7.1更新)