CentOS【Community Enterprise Operating System】
概要

RHELは企業などの情報システムにおけるサーバ用途で採用実績の高い業務向けディストリビューションだが、利用にはサブスクリプション契約が必要で費用がかかる。CentOSはRHELのソースコードのうちオープンソースとして公開されている部分を再構成して構築されており、商標やロゴなど同社固有の要素を除き、機能や動作をRHELと同一に保つよう設計されていた。
対応アーキテクチャはx86-64で、サーバ用途にもデスクトップ用途にも使用できる。パッケージ管理にはRed Hat系Linuxで標準的なRPM形式を採用しており、YumやDNFといったパッケージマネージャを利用できる。RHEL向けに開発されたソフトウェアや運用手順をそのまま適用できることから、ライセンス費用を抑えながら商用環境に近い運用環境を構築する手段として普及した。同社による公式サポートは受けられないが、セキュリティパッチの提供などのメンテナンスはCentOSプロジェクトが担い、各リリースから10年間の維持が保証されていた。
2014年にCentOSプロジェクトは同社との協力関係を結んだが、2019年に同社が米IBM社の傘下となった後、開発方針が変更された。2020年には従来のCentOSの開発終了が発表され、RHELの次期更新内容を先行して取り込む開発プラットフォームである「CentOS Stream」への移行が示された。CentOS 8は2021年末にサポートを終了し、CentOS 7も2024年6月にサポート期間を終えたことで、従来のRHEL互換OSとしてのCentOSはすべて役割を終えた。
この方針転換を受け、RHELとの互換性維持を目的として新たに「AlmaLinux」や「Rocky Linux」などの後継ディストリビューションが開発された。これらはかつてのCentOSと同様にRHEL互換環境を無償で提供することを目的としており、旧CentOS利用者の移行先として広まっている。