makeコマンド 【make command】

概要

makeコマンド(make command)とは、UNIX系OSにおけるプログラム開発で標準的に用いられるコマンドの一つで、ソースコードからの実行ファイルの作成(ビルド)を自動化するもの。

人間がプログラミング言語で書いたソースコードから実行可能なプログラムファイルを得るには、ソースコードコンパイルして機械語などで書かれたオブジェクトコードのプログラムに変換し、複数のオブジェクトコードや外部のライブラリファイルなどを連結(リンク)して一つの実行ファイルにする作業が必要となる。

単純なプログラムではこの工程は数回のコマンド実行で済むが、プログラムの規模が大きくなり構成が複雑になると、多数のファイルをコンパイルしたりリンクしなければならず、手作業で行うのは面倒で誤りも起きがちになる。

makeコマンドは一連の手順を所定の形式でテキストファイルMakefile)に記述しておくと、これに従ってコマンド実行などを連続して自動的に行なってくれる。makeコマンド一回の実行で実行ファイルの作成が完了する。

何度も繰り返しビルドを行う場合、各ファイルの最終更新日時を確認して前回のビルドから更新されたファイルだけを再コンパイルしたりリンクし直す機能を備えており、単に繰り返し同じコマンドを実行する場合よりも短時間で効率的に再ビルドすることができる。

初版は1976年にC言語によるプログラム開発を支援するために開発された。ある程度の汎用性があり、他の言語によるプログラムのビルドや、プログラム以外のファイル生成に応用することもできる。L多くのLinuxディストリビューションを含むUNIX系OSに標準で収録されている。

(2020.10.7更新)
この記事の著者 : (株)インセプト IT用語辞典 e-Words 編集部
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