csh 【C shell】 Cシェル
概要
csh(C shell)とは、UNIX系OSにおける著名なシェルプログラムの一つ。また、その標準の実行プログラムファイル名(/bin/csh)。現在も互換性のある後継のtcshが利用されることがある。シェルは利用者からのオペレーティングシステム(OS)に対する操作の受付や、実行結果の表示などを担うプログラムである。cshはBSD系UNIXの一つである2BSDを利用するためのシェルとして1978年にビル・ジョイ(Bill Joy)氏が開発した。
対話的に利用する際に便利な機能が多数盛り込まれたのが大きな特徴で、過去に実行したコマンドの履歴(ヒストリ)の保存と素早い呼び出し、現在のホームディレクトリを「~」(チルダ)で指定できる記法、コマンド入力中のファイル名の補完、利用者が任意の文字列に別名を付けて短い文字列で呼び出せるようにするエイリアス機能などが実装された。これらの多くはその後開発された多くのシェルにも採用されている。
シェルスクリプトの制御構文にC言語風の語彙や文法を採用したことで一時人気を博したが、関数定義機能の欠如など機能面での問題や、異なる構文を採用したBourneシェル(/bin/sh)やその互換シェルが標準として多くのシステムに組み込まれたことなどから、csh系のスクリプト構文はあまり普及しなかった。
現代ではオリジナルのcshよりも、コマンド編集機能や履歴編集機能など操作性の改善や国際化対応(NLS:Native Language System)を追加した「tcsh」(ティーシーシェル)の方が普及している。「/bin/csh」を指定すると自動的にtcshが呼び出されるシステムもある。
(2023.4.17更新)