Telnet
概要
Telnetとは、インターネットなどのIPネットワークを通じて別のコンピュータにアクセスし、遠隔操作するための通信規約(プロトコル)の一つ。1983年にRFC 854として標準化された古い規格で、標準ではTCPの23番ポートを用いる。利用者が操作するソフトウェアを「Telnetクライアント」、遠隔から操作される側のソフトウェアを「Telnetサーバ」と呼び、両者の間で文字(テキスト)ベースのメッセージをやり取りする方法を定めている。UNIX系OSではクライアントのプログラム名が「telnet」であるため、クライアントソフトを指してをTelnetと呼ぶこともある。
利用者はクライアントに接続したいサーバを指示すると、そのサーバで有効なアカウント名やパスワードの入力を促され、ログインが試みられる。ログイン後、クライアントに実行したいコマンドを入力するとサーバに送信されて実行され、結果が送り返される。
クライアントは受け取った実行結果を画面に表示し、次のコマンド入力を受け付ける。この繰り返しによって、サーバの入出力機器を操作するように、遠隔から操作することができる。
Telnetは単純なテキストのやり取りのみを行なうため、テキストベースの他のプロトコルで動作するサーバにTelnetクライアントで接続し、コマンドやリクエスト文字列などを直接入力して対話的に操作することもできる。実用的ではないが、サーバの簡易な動作試験などで用いられることがある。
Telnet自体には認証や通信を暗号化する仕組みが存在しないため、インターネットなど開かれたネットワークでそのまま使うと通信途上でクライアントとサーバのやり取りが盗み見られる危険がある。このため、現代ではインターネット経由の遠隔操作などの用途には暗号化に対応したSSHなどが使われることが多いが、閉じられたネットワーク内では仕様が簡素なTelnetが使われる事例もある。
(2022.10.25更新)