Windows XP
概要
Windows XPとは、米マイクロソフト(Microsoft)社が2001年11月に発売したパソコン向けオペレーティングシステム(OS)製品。Windows Me、Windows 2000 Professionalの後継製品で、前後のバージョンに比べ安定性や操作感で高い評価を受けていた。Microsoft社のパソコン向けOSで、利用者が対話的に操作するクライアント機器向けの製品である。Windowsシリーズ共通の「デスクトップ」と「ウィンドウ」を基本とする操作画面(GUI)を備え、マウス操作で大半の操作を行うことができる。
操作画面のデザインを任意に入れ替えることができる「テーマ」機能が導入され、標準では「Luna」と呼ばれるテーマが設定されている。これはWindows XPスタイルとして他のソフトウェアでも参照されたり模倣されたりしている。Windows 2000風の「クラシック」も用意されており、グラフィック性能が低いパソコンなどでよく用いられた。
新たな機能として、OS標準のCD-R/CD-RW書き込み機能、フォント表示の鮮明さを向上させる「ClearType」、遠隔からパソコンを操作する「リモートデスクトップ」および「リモートアシスタンス」、IPv6への標準対応(Service Pack 1から)などが追加された。
長続きした人気
家庭向けパソコンでは以前のバージョンより格段に安定してアプリケーションを動作させることができ、後継の「Windows Vista」の操作画面の変更が不評だったこともあり、後継製品へ切り替えずに使い続ける利用者が続出した。
Vista後継の「Windows 7」発売後も、ハードウェア製品に同梱されるOEM版やDSP版に与えられた「ダウングレード権」を行使して、あえてWindows XPを新規導入する利用者が後を絶たなかった。同社による延長サポートは「Windows 8」発売後の2014年まで継続され、終了した。
技術的な背景
同社の家庭・個人向けOS製品は、Windows 95から続く「9xカーネル」というOS基盤を採用し、法人・業務向けOS製品はWindows NTで新たに開発された「NTカーネル」を採用していた。この2本立ての製品構成は一世代前のWindows Me/Windows 2000まで続いたが、Windows XPでは両系統ともWindows 2000の改良版カーネルを採用し、両系列の基盤部分が統合された。
Windows XPではメインのエディションとして家庭・個人向けの「Windows XP Home」と法人・業務向けの「Windows XP Professional」が提供されるが、前者はWindows Meの、後者はWindows 2000 Professionalの後継となる。サーバ向け製品は「Windows Server」ブランドとして独立し、Windows 2000 Serverの後継はWindows XPではなくWindows Server 2003となっている。
過去のバージョンとの互換モードが用意されており、Windows XPで正常に動作しなくなったアプリケーションソフトに対して旧バージョンのWindowsとして振る舞わせることができる。対象として「Windows 95」Windows 98/Me」「Windows NT 4.0」「Windows 2000」を選択することができる。