xz
ファイルを圧縮符号化して少ない容量で保存できるようにするファイル形式の一つで、どんな種類や形式のファイルにも対応できる汎用の形式である。データを完全に元通りに復元できるように圧縮する「可逆圧縮」を行う。
古くから知られるLZ77圧縮アルゴリズムにレンジコーダー(range coder)と呼ばれる符号化処理を組み合わせたLZMA圧縮アルゴリズム、および、複数のLZMA圧縮データと非圧縮データを組み合わせることができるLZMA2データ形式を採用している。
UNIX系システムで標準的に用いられるgzip(.gzファイル)やbzip2(.bz2ファイル)に比べ平均的に高い圧縮率で符号化できるとされており、圧縮ファイルから元のデータを取り出す伸張(展開/解凍)処理も高速である。反面、圧縮処理には長い時間がかかるため、同じ圧縮ファイルを何度も繰り返し伸張する用途、すなわちソフトウェアやデータの大規模な配布などに適している。
xzファイル形式およびxzコマンドは一つのファイルを圧縮する機能しかなく、複数のファイルやディレクトリ構造などをまとめて格納する「アーカイブ」の機能はない。UNIX系OSでは「tar」(ター)と呼ばれるアーカイブ形式およびコマンドが一般的で、しばしばxzはtarと共に利用される。その際のファイル名の拡張子は「.tar.xz」となる。
ちなみに、同じLZMAアルゴリズムやLZMA2形式を採用している圧縮ファイルおよび圧縮ソフトには7z形式(.7zファイル)および7-Zipがあり、主にWindows環境で利用されている。ファイル形式としてはxzとは構造が異なっており直接的な互換性は無い。
(2022.1.13更新)