NFS 【Network File System】
概要
NFS(Network File System)とは、主にUNIX系OSで利用される分散ファイルシステム、および、そのための通信規約(プロトコル)。IPネットワーク上で利用され、標準ではTCPの2049番ポートで通信を行う。ネットワークを介して別のコンピュータの外部記憶装置(ストレージ)上のファイルシステムをマウントすることができ、そこに保存されているディレクトリやファイルをあたかも手元にあるかのように扱うことができる。
ストレージを他のコンピュータに提供するコンピュータを「NFSサーバ」、サーバの持つストレージにアクセスして利用するコンピュータを「NFSクライアント」という。サーバもクライアントも様々なオペレーティングシステム(OS)向けの実装が提供されており、システムの種類を超えて利用できる。
通常、NFSサーバはTCPの2049番ポートでクライアントからの接続を待ち受ける。NFS v3まではファイルのロックなどの機能を利用するのに「ONC RPC」という呼び出し規約が用いられており、動的にポート番号を割り付ける仕組みだったが、NFS v4ではNFS本体の仕様に組み込まれ、2049番ポートのみで通信を完結することができる。
歴史
初版(NFS v1)は1985年に当時のサン・マイクロシステムズ(Sun Microsystems)社が開発し、同社のSunOSなどに実装された。その仕様は1989年にIETFによって標準化され、他のシステムでも広く利用されるようになった。
その後何度かの仕様改訂を経て機能やセキュリティの強化が行われた。現在主に利用されているのは2000年に規格が策定されたNFS v4で、2010年代に入っても細かな仕様の更新が続けられている。WindowsやmacOS(Mac OS X)などでNFSを利用できるようにするソフトウェアも公開され、UNIX系システムとの連携などのために利用されている。
(2024.3.4更新)