138番ポート 【port 138】 ポート138 / UDP138番

概要

138番ポート(port 138)とは、インターネットなどの通信でアプリケーションの種類や通信規約(プロトコル)の識別に用いられるポート番号の一つ。Windowsのファイル共有機能などで利用されるNBT(NetBIOS over TCP/IP)でUDP通信(データグラム通信)を行うために用いられる。

ポート番号とは

インターネットではネットワーク層プロトコルとしてIPInternet Protocol)を用いるが、その上位のトランスポート層プロトコルとしてTCPTransmission Control Protocol)あるいはUDPUser Datagram Protocol)をよく用いる。

これらは同じ機器(一つのIPアドレス)で複数の異なるアプリケーションが同時に通信したり、異なる通信相手と同時に通信できるよう、データの送受信の窓口となる「ポート」という仕組みを備えている。ポートの識別や指定は0から65535までの整数で行い、これを「ポート番号」という。

138番ポートの用途

138番ポートはそのようなポート番号の一つで、Windowsのネットワーク機能であるNBTNetBIOS over TCP/IP)で、UDPUser Datagram Protocol)を用いて高速だが信頼性は低いコネクションレス型の通信を行う「NetBIOSデータグラムサービス」(NetBIOS Datagram Service」機能に用いられる。

この用途はインターネット運用団体のIANAによって「NETBIOS Datagram Service」(netbios-dgm)の名称で登録されており、いわゆる「ウェルノウンポート」(現在は正式には「システムポート」)の一つとして定着している。TCPUDPの両方が割り当てられているが、通常はUDPを用いる。

NetBIOSなどWindowsのネットワーク機能は通常は組織内ネットワークの内部でのみ利用される。よくサイバー攻撃の標的となるため、何らかの事情でどうしても必要でない限り138番ポートはネットワーク境界で遮断するようルータファイアウォールなどに設定しておくべきとされる。このようなポートは他に135番ポート137番ポート139番ポート445番ポートなどがある。

(2023.8.30更新)
この記事の著者 : (株)インセプト IT用語辞典 e-Words 編集部
1997年8月より「IT用語辞典 e-Words」を執筆・編集しています。累計公開記事数は1万ページ以上、累計サイト訪問者数は1億人以上です。学術論文や官公庁の資料などへも多数の記事が引用・参照されています。