NTドメイン 【NT domain】
同じドメインに所属するコンピュータやアカウントなどの資源はそのドメインを管理するWindows NTサーバによって集中的に管理され、利用者がドメイン内のコンピュータに同じアカウントでログインしたり、同じアクセス権限やセキュリティ設定を共有したりすることができる。複数のNTドメイン間で相互に信頼関係を結び、認証情報をなどを相互に利用することもできる。
NTドメインを管理するメインのサーバを「プライマリドメインコントローラ」(PDC:Primary Domain Controller)、その補助や代理を行うサーバを「バックアップドメインコントローラ」(BDC:Backup Domain Controller)という。
PDCはアカウント情報などを保存・管理し、ユーザー認証や権限の付与などを行うサーバで、ドメインに一台置くことができる。BDCはPDCの持つ認証情報などの複製を取って保管したり、障害発生時などに一時的に機能を肩代わりするサーバで、一つのPDCに対して複数設置することができる。BDCをPDCに昇格・交代させることもできる。
NTドメインはWindows NT 3.1から4.0まで標準的に用いられたが、Windows 2000 Serverでは後継のネットワーク管理システムであるActive Directoryが導入された。NTドメインでは単一のドメインでは小規模なネットワークにしか対応できなかったが、ADでは大規模ネットワークでの運用も想定されているなど拡張性が向上している。
Windows 2000以降は新規にNTドメインを構築・運用することはほとんどなくなったが、NT系のシステムからの移行や接続性維持のため、Windows 2000以降のOSでもNTドメインへの参加やNTドメインとADドメイン(Active Directoryドメイン)の信頼関係などに対応している。