LTSC 【Long-Term Servicing Channel】 LTSB / Long-Term Servicing Branch

概要

LTSC(Long-Term Servicing Channel)とは、米マイクロソフト(Microsoft)社のパソコン向けOSWindows 10の企業向け更新方式の一つで、自動更新はわず、10年の長期サポートが提供されるもの。Windows 10 Enterpriseでのみ選択できる。

Windows 10はそれまでのWindowsとは異なり、一定期間ごとに新バージョンが発表され、インターネットなどを通じて導入済みのシステムを自動的に入れ替える仕組みになっている。

企業や官公庁、学校などでコンピュータをまとめて管理する際には、このWindows 10の更新をどのようにうかについていくつかの選択肢が与えられており、LTSCは医療機器の制御用など、特定の用途に限定して用いられる特殊な環境で適用される。

Windows 10は春と秋の年2回にアップグレード(機能更新プログラム)がわれ、通常は自動的に配信、入れ替えが実施されるが、LTSCを選択するとこの更新は自動適用されず、原則として導入時の状態のまま使用することになる。不具合の修正などのサポートは当該バージョンの発行から10年間受けることができる。

ただし、半期ごとのアップグレードで提供される新機能は利用できず、同社製ソフトウェアなどの中にはLTSC版のWindowsを動作対象外としているものもある。ハードウェアの対応もリリース時点で存在するものまでのため、コンピュータ本体を入れ替えて既存のLTSC版を使い続けることも難しい。

一方、管理者などが事前に更新内容を評価したい場合などには「Insider Program」を、一般的な作業用に使用するためのパソコンなどには半期ごとに更新される「SAC」(Semi-Annual Channel)を利用する。LTSCは当初は「LTSB」(Long-Term Servicing Branch)という名称だったが、2017年に現在の名称に改められた。

(2020.11.12更新)

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この記事の著者 : (株)インセプト IT用語辞典 e-Words 編集部
1997年8月より「IT用語辞典 e-Words」を執筆・編集しています。累計公開記事数は1万ページ以上、累計サイト訪問者数は1億人以上です。学術論文や官公庁の資料などへも多数の記事が引用・参照されています。
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