ext3 【ext3 filesystem】
概要
ext3(ext3 filesystem)とは、Linuxの標準的なファイルシステムの一つで、「ext2」の後継。ext2と基本的な設計は変えず、ジャーナリング機能を追加して障害発生時に迅速に復旧できるようにした。ファイルサイズの上限は4TB(テラバイト)、ボリュームサイズの上限は16TBなど、基本的な仕様はext2と共通で、ext2に対して高い後方互換性を持っている。ext2として使用しているボリュームを中身はそのままでext3に変換して使用するといった機能も提供された(ジャーナリングできないなど機能に制約がある)。
いわゆる「ジャーナリングファイルシステム」に分類されるファイルシステムの一つで、管理領域を変更する際に「ジャーナル」(jornal)と呼ばれる更新履歴を残すことで管理領域の破損を防ぐことができる。
ファイルに書き込みを行う際にいきなり管理情報(メタデータ)を書き換えるのではなく、一旦これから行う変更をジャーナルに時系列に記録し、それから管理情報の書き換えを行う。操作中に障害が発生しても、ジャーナルの内容を参照すれば即座に変更の破棄あるいは復旧を行うことができ、管理領域の一貫性を保ち続けることができる。
2001年に公開され、多くのLinuxディストリビューションが標準ファイルシステムの一つとして対応した。2008年にはext3と互換性を保ちつつ、ストレージ装置の大容量化に対応するため最大容量を拡張するなどした後継の「ext4」が登場し、主流の座はそちらに移った。
(2022.4.29更新)