Bourneシェル 【Bourne shell】 sh

概要

Bourneシェル(Bourne shell)とは、かつて多くのUNIX系OSで標準的に用いられていたシェルプログラムの一つ。標準の実行プログラムファイル名(コマンド名)は「sh」。

シェルは利用者からのオペレーティングシステム(OS)に対する操作の受付や、実行結果の表示などを担うプログラムで、BourneシェルはUNIX Version 7を利用するためのシェルとして1977年にスティーブ・ボーン(Stephen Bourne)氏が開発した。

シェルスクリプト制御構造や変数が利用できるようになり、スクリプトファイルを明示的にコンパイルせずにコマンドとして即座に実行することができるようになった。環境変数の利用や複数コマンドの非同期実行、組み込みコマンドの提供など、現代のシェルの多くでは定番となっている機能も組み込まれた。

Bourneシェル自体は既に使われていないが、仕様はその後生まれた多くのシェルに引き継がれている。シェルスクリプトは今でも「/bin/sh」により実行するが、現代ではこれはBourneシェルを表すわけではなくシステム内のデフォルトシェルへのハードリンクまたはシンボリックリンクとなっている。

Bourneシェルに影響を受けた著名なシェルに「bash」(Bourne Again shell)がある。これはBourneシェルの仕様を基本に「csh」(C Shell)や「ksh」(Korn Shell)の機能を取り入れ、Bourneシェルで不評だった操作性の低さを改善している。多くのLinuxディストリビューションでデフォルトに採用されるなどUNIX系OSの標準的なシェルの一つとして広く普及している。

(2023.4.17更新)

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