バイナリ 【binary】 バイナリデータ / binary data / バイナリ形式 / binary format

概要

バイナリ(binary)とは、コンピュータで取り扱うデータの記述形式の一つで、テキスト(文字)形式ではないもの。実行形式のプログラム、画像、音声、動画などがこの形式で記述されることが多い。

コンピュータはすべての情報を2進数の「0」と「1」が並んだビット列として表現する。このうち、何らかの文字コード規格に基づいて文字を表すデータを「テキストデータ」(テキスト形式)、そうでないものを「バイナリデータ」(バイナリ形式)と分類する。「バイナリ」(binary)は、2値(の)、2進数(の)、2元(の)、などの意味を持つ英単語。

バイナリ形式のデータの例としては、ビットマップ形式の画像、音声、動画などを記録したメディアデータ、実行可能形式コンピュータプログラムオブジェクトコード/バイナリコード)、圧縮データ、暗号データなどがある。

バイナリ形式におけるビット列のパターンと意味の対応関係はデータ形式やソフトウェアの種類ごとに規定されている。その形式に対応したソフトウェア以外では何が記録されているのか分からず、内容を表示したり編集することはできない。

バイナリエディタのように形式を限定せずにバイナリファイルの表示や編集を行うソフトウェアもあり、形式不明のファイルの解析など特殊な用途に用いられる。その場合、データの先頭から順に2進数の4桁を一つのまとまりとして1桁の16進数(0~F)に置き換えて表示することが多い。

テキストデータは人間が文字として取り扱うことができるというだけでコンピュータにとってはパターンが限定されたビット列の一種であるため、伝送や圧縮、暗号化などを行う際は文字としての側面はひとまず捨象して、他のバイナリデータと同じように単なるビット列として扱うことが多い。

IT分野以外でバイナリという語が用いられることは稀だが、金融や商取引などの分野で、2つの系列からの選択や、二者択一の予測などの状況を指してバイナリと表現したり、性別を男女の2つに区分する考え方をバイナリ、どちらでもない状態や中間状態を含む多様な性別をノンバイナリと呼ぶことがある。

(2024.3.1更新)

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この記事の著者 : (株)インセプト IT用語辞典 e-Words 編集部
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