GRUB 【GRand Unified Bootloader】

概要

GRUB(GRand Unified Bootloader)とは、コンピュータの起動時に最初に読み込まれ、ストレージなどからオペレーティングシステム(OS)を読み込んで起動するブートローダの一つ。GNUプロジェクトが開発・公開しているオープンソースソフトウェアで、よくLinuxと組み合わせて用いられる。

GRUBはハードディスクやSSDなどのストレージの先頭領域に保存され、コンピュータの電源が投入されるとBIOSやEFI/UEFIによって読み込まれて実行される。設定に従ってOSが保存されているストレージ上の領域から起動用のプログラムを読み込み、メモリ上に展開して実行する。以降はOSの起動プロセスに移行する。

GRUBはLinuxを始めとする各種のUNIX系OSやWindowsなど様々なOSを起動でき、また、これらが標準的に使用する様々なファイルシステムに対応している。コンピュータに複数のOSを導入し、いずれかを選択して起動するマルチブートにも対応する。標準では一般的な設計のパソコンなどx86系プロセッサで動作するシステムを対象とするが、PowerPC向けなど他の環境向けにも移植されている。

UNIX系OSのコマンドラインシェルに似た対話的な操作環境を内蔵しており、起動時にその場でキー操作でコマンドを投入してOSの選択や各種の設定値の指定などを行うことができる。OS側から設定ファイルなどを通じて変更することもでき、専用のGUIツールを提供しているOSもある。

GRUBは1990年代に開発が始まり、GNU Hurdのブートローダとして利用されていたことから1999年にGNUプロジェクトの一部となった。初期のバージョン0系(0.9系)のものは2002年に開発が停止され、以降は欠陥の修正のみを行なっている。この系列は現在ではGRUB Legacyと呼ばれ、開発停止後も広く利用され続けている。現在開発が継続されているのは設計が刷新されたバージョン1.0~2.0系のGRUB 2である。

(2018.12.1更新)

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この記事の著者 : (株)インセプト IT用語辞典 e-Words 編集部
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