.scrファイル
概要
.scrファイルとは、Windowsでスクリーンセーバーと呼ばれる全画面のアニメーションを記録するためのファイル形式。内部は通常の実行可能ファイル(EXEファイル)であるため、ウイルス感染などに悪用されることが多い。かつて使われていたCRTディスプレイ(ブラウン管ディスプレイ)などの表示装置は、画面に同じ内容を長時間表示し続けると次第に部材が変性し残像がうっすら残り続けてしまう「焼き付き」と呼ばれる現象が発生した。
コンピュータ本体側からディスプレイの電源を制御する技術も無かったため、利用者が席を離れるなどして一定時間操作が行われないと、オペレーティングシステム(OS)が自動的に全画面のアニメーションをループ再生し続けて焼き付きを防ぐ「スクリーンセーバー」(screen saver)という仕組みがあった。
.scrファイルはWindowsにスクリーンセーバーとしてアニメーション表示プログラムを登録するためのファイル形式で、外部の開発者が作成したオリジナルのアニメーションを再生するよう設定することができた。
内部のプログラム形式はEXEファイルなどの一般的なWindows実行ファイルと同じ(PE形式)だが、あまり一般には知られていないファイル形式および拡張子であったため、マルウェアが自身を.scrファイルとして電子メール等に添付し、受信者が実行ファイルであると気づかずに開くと感染するという手口が広まった。
(2022.1.31更新)