POSIX 【Portable Operating System Interface】
概要
POSIX(Portable Operating System Interface)とは、主にUNIX系OSに共通する機能などについて、プログラムからの呼び出し方法(API:Application Programming Interface)などの標準を定めた規格。IEEEによって標準化された。オペレーティングシステム(OS)の中核部であるカーネルの機能を呼び出すシステムコールをC言語から利用するためのAPI仕様や標準ライブラリ関数などを定めており、POSIX仕様のみを用いて開発されたプログラムはPOSIX準拠のOSならばどれでも同じように動作させることができる。
API以外にも、シェルのコマンド体系や、プロセスやスレッド、シグナル、パイプ、I/Oインターフェース、ファイルやディレクトリの構成、パスワードファイルなどのシステムデータベースの形式、アーカイブファイルの形式などについても標準を定めている。
最初の規格は1988年にIEEEによって「IEEE Std 1003.1」(通称POSIX.1)として発行され、単にPOSIXという場合はこの規格を指すこともある。その後、1990年に改訂版がISO(国際標準化機構)とIEC(国際電気標準会議)の合同委員会(JTC 1)によって「ISO/IEC 9945」として標準化され、その後も何度か改訂および仕様拡張が行われている。
IEEEではOSがPOSIXに準拠しているか審査する制度を運用しており、いわゆる商用UNIX製品の多くが認証を受けてPOSIX準拠をうたっている。Linuxのように認証は受けていないが概ね準拠しているOSも多くある。Windowsのようにサブシステムやオプション機能としてPOSIX互換機能を提供している製品もある。
UNIXの仕様を規定した標準規格は他にも「UNIX」商標を管理する業界団体のThe Open Groupが発行している「Single UNIX Specification」があり、「UNIX」の名称を名乗るには、同団体からこの規格に適合していることの認証を得る必要がある。
(2023.10.11更新)